江戸時代の初期に、江戸川の両側に田を持つ農民が、関所を通らずに江戸と往来したことから、この「矢切の渡し」が始まったとされています。
江戸川唯一の渡しであり、伊藤左千夫氏の小説「野菊の墓」で政夫と民子の悲しい恋の舞台にもなりました。
また、ヒットをした同名の歌謡曲の舞台でもあるのです。
江戸川の水が春とともに暖かさを増す時期になると、船頭さんの手漕ぎの舟が、およそ150mの江戸川を毎日往復して渡してくれます。
矢切と対岸の柴又を結ぶ、たっぷり風土を感じさせてくれる木製の渡し舟は、のどかな気分にさせてくれます。
川面を渡る手漕ぎの舟や、ヒバリ、ユリカモメの声は、柴又帝釈天とペアで「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。